ブレーキ


1.ブレーキパッド
今までFD3Sでサーキットで本格的に試したパッドは3種類。まず、それらについて感じたことを書いてみる。
パッド取り付け状態は、純正パッドに付いている鳴き防止の金属板は取り付けてなく、フルードはAPロッキードのDOT5.1を使用してサーキットの前後でフルードのエア抜きまたは交換を行っている。

(1)ホーク・ブラック
ホークブラックこのパッドはマツダスピード(MSエンジニアリング)で売られている(現在は売られていないかも?)外国製のパッド。ホークは一般走行用のHPS、サーキット走行用のブラック、レース専用のブルーと3タイプが設定されている。どれもカーボンセラミック系のパッドらしい。
ホークブラック、エッジぼろぼろ走行会の1週間前にパッドを取り付けて通勤で町乗りに使ってみたのだが、とにかく鳴きとブレーキダストによるホイールの汚れがひどい。それまでFCの時に使ったエンドレスのタイプRやウィンマックスのクエストαではここまでひどくなかった。さらに、装着後4日ほどして気づいたのだが、ブレーキローターがレコード盤状態。とにかくローター表面の荒れがひどい。マツダスピードに問い合わせたところ、ある程度の温度にパッドの温度が上昇しなければカーボン被膜がローターに形成されないため、ローターへの攻撃性が高くなるとのこと。これはストリートでは使用できないタイプみたい。パッド表面を見てみると、金属のかけらがしっかり見えて、これはローターに厳しいパッドだとよくわかる(^_^;
しかし、私のホームコースの阿讃サーキットでの使用では、何周しても効きは落ちることなく、また減りも少ないようである。ただ、画像のようにパッドの角の部分は結構ぼろぼろになってきた。それと、サーキットでも鳴きはかなりの物で、私のFDが来たことがすぐわかるらしい・・・。
Sタイヤなどのグリップのいいタイヤとの組み合わせでは、ブレーキの効果を発揮しやすいと思う。
ただ、サーキット走行後のブレーキダストはものすごかった・・・。ホイールが真っ黒なのはまだいい。汚れるのはホイールだけでなく、ボディの両サイドまでブレーキダストが付着している。それも塗装面に金属粉が刺さった状態なので、水洗いした程度では取れない。塗装面を手で触ってみるとザラザラ・・・。さらに、水洗いだけで放っておくと刺さっている鉄粉が錆びてきて茶色くなっていく(^◇^;)げっ。走行会の後は必ずトラップ粘土での洗車が習慣になってしまった。

とにかく、ローターへの攻撃性とブレーキダストが欠点で、それ以外はなかなかいいパッドだった。

(2)APロッキードtypeZX
これも外国製のパッドだが、ロッキードと言えばブレーキでは結構有名であり、当時こちらにあったマツダスピードスポーツファクトリーでも勧められて購入した。これもカーボン系のパッドで、カタログではローター温度50〜850℃が適正温度とあり、町乗りからサーキットまで使用できそうである。
このパッドの取り付けとともにホークのパッドで傷んでいたローターを研磨して表面を平らにしておいた。
いきなり阿讃サーキットで使った感じでは、ホークほど制動力は強力でないもののフェードも起こりにくくそれなりに使える。約100周の走行会の後、パッドを見てびっくり。めちゃくちゃ偏摩耗しているではないか!!
ロッキード偏摩耗色々相談したのだが、パッド自体ではなくキャリパーなどに原因があると思われたためキャリパーのオーバーホールをしてみた。(オーバーホールについては後で・・・)
偏摩耗したパッドは、もったいなかったため薄い方に合わせて紙ヤスリの上でパッド面を削って修正した。走行会1回でパッドが半分以下になったことで、かなり寂しいものがあった・・・。
キャリパーのOHとパッドの偏摩耗修正で再びサーキットを走ってみたのだが、装着直後に比べて制動力が甘く、かなり奥まで踏んでいってやっと効いて来るという感じだった。パッドのおいしい部分をすぎていたんだと思う。
ブレーキダストもカーボン系のパッドなのでそれなりにひどかったが、ホークのように塗装に刺さることはなかった。また、ローターも変な摩耗もなく攻撃性は低い方だと感じた。
走行会2回で終わり・・表面結局このZXパッドは2回目の走行会で左の画像のような状態となり、お役ご免。パッドだけの原因ではないが、私自身にはあまりいい印象のない物となってしまった。ただ、私の周りではサーキット仕様のロードスターやタービン交換したFC3S RX−7でサーキットを走って結果を出している人もいることを考えると私には合っていなかっただけなのかもしれない。



(3)エンドレスNA−R
エンドレスNA−RロッキードZXのあと、パッドを選ぶにあたって色々な人の意見を聞いていったところ、エンドレスに行き着いた。特にCCMは誰に聞いてもそれなりの評判でかなり心を動かされたのだが、ストリートからサーキットまでと言うキャッチフレーズにはいまいち興味がなく、サーキットでの性能重視というNA−Rを選択。
このパッドの取り付けとともに、キャリパーを前後とも17インチの純正に交換(17インチ化については後で・・・)。
このパッド、踏み初めはちょっと効きが甘いかな?と言うフィーリングなのだが、そこから先が絶妙。阿讃サーキットでタイムを詰めていくにつれて私自身のドライビングが、コーナー進入からブレーキを残しながらコーナリングスピードを調節すると言う方向に変わっていったのだが、それにぴったりだった。ブレーキを踏んでいったときの奥での踏み込み方と制動力がリニアで、ほんとコントロール性のいいパッドだと実感。

阿讃60周後減りの方も、新品から約60周の走行会が終わって減りは0.5から1.5ミリ(左の画像)。ローターもそれほど荒れてない。6回の走行会(阿讃サーキット約300周)でフロントパッドは溝の残りがほぼ無くなった。
ラップタイム自身もベストを更新しており、’99年8月現在フロントのみ2セットめを付けている。しばらくこのパッドで行くつもり。

(4)番外編純正パッド
私はサーキットと町乗りではパッドを使い分けていて、町乗りでは純正パッドしか使ってない。鳴き防止の金属板もしっかり取り付けている。とにかく社外パッドに比べて鳴きはほとんどないし、ブレーキダストも少ない、さらに一番いいのはなかなか減らないと言うこと。峠など攻めることのないこともあって、町乗りでは最高のパッドといえる。


2.ブレーキキャリパーオーバーホール
ロッキードZXパッドを使用したときにパッドの偏摩耗が発生したため、キャリパーのオーバーホール(以下OH)を行った。
キャリパーのOHとは、使用されているシール類を新品に交換するのが主な作業となる。
OH前のフロントキャリパーを見ると、ピストン回りのダストブーツが熱で硬化しており、本来ならゴム製で柔らかいはずなのが手で触るとぼろぼろ崩れてくる状態。今回は偏摩耗が起こったのがフロントのみなのと、目視したところ先ほどのゴムの硬化などもフロントのみだったので、フロントキャリパーのみOHした。
キャリパーのOHキットは、純正の部品としてディーラー等で購入でき、左右で2000円程度だったと思う。
フロントキャリパー キャリパーの取り外しは取り付けボルト2本をはずせば行える。フロントのキャリパーについては、ピストン4ヶを抜き取る必要があるのだが、普通プロの整備士はは圧縮エア等を使用して空気圧でピストンを押し出す。しかし、プライベートの駐車場で作業するがれーじSakaiには圧縮エアなど無いため、キャリパーをブレーキホースにつないだまま取り外し、ブレーキを踏み込んでピストンを抜き取ることにした。これはブレーキフルードの無駄使いにはなるが、プライベートでやるにはおすすめだと思う。ブレーキを踏む際に、ピストン同士が当たらないようにキャリパー内部に布などを押し込んでおくといいと思う。
ピストン キャリパー取り外したピストンとキャリパーがが左の画像。
ゴムシール類は熱でぼろぼろになっている。
OHは、キャリパー内部のシールと、ピストンに傷が付いてないか確認し1000番程度の耐水ペーパーで磨いて組み立てることで完了。当然だが、組立時にはゴミなどが噛み込まないように注意が必要。
交換により、パッドの偏摩耗が無くなったのは当然だが、パッド交換時のピストンを戻すのが手で簡単に戻るようになったのに感動。サーキット走行でブレーキに熱がかかる機会の多い人は定期的にOHした方がいいと思う。

3.ブレーキキャリパー&ローター17インチ化

私のFD3SはグレードがRBなので、16インチホイールに合わせたキャリパー&ローターになっている。サーキット走行において、16インチキャリパーでの不満を持ったことはなかったのだが、あるルートより17インチキャリパー&ローター一式+4.1ファイナルのトルセンデフ一式+ドライブシャフト+リヤ回りアーム等をなんと1万円!!で手に入れることができたため、迷ったあげく交換することにした。(迷ったのは、サーキット用のホイール+Sタイヤを17インチ化する必要があるため、Sタイヤは高い(T^T))
取り外した部品を比べてみた。
フロントローター比較1 フロントローター比較2フロントキャリパー比較
まずはフロントだが、ローターもキャリパーもとにかく17インチの方が大きい(当然か・・・)特にローターの厚みが17インチの方はかなり厚く、熱容量的に有利な気がする。
リヤローター比較リヤキャリパー比較
リヤの方も当然17インチの方が大きい。

当然キャリパーについてはOHを行って組み込んだ。
交換しての感想だが、町乗りでは17インチの方がノーマルパッドを使用していても効きがいい。サーキット走行では、パッドの変更によるフィーリングの変化の方が大きく、17インチ化による変化は感じられなかった。

4.ブレーキ回りの小技

ブレーキ回りについても、お金をかけない小技を使っている(^_^;
目的は冷却。

まずは、ブレーキのダストカバーの取り外し。
このダストカバー、ブレーキへの石の噛み込み等を防ぐために取り付けられているのだと思うのだが、開口部の多いホイールを履いていると表からも異物のはいる可能性もあるのにホントに意味があるのかな?と言うことと、レース車両などでは冷却のために取り外し、ブレーキ回りの温度が下がるとパッドへの負担も減って持ちが良くなるとのアドバイスを受けて取り外しを決定。
取り外したダストカバーこれは16インチブレーキの時に実施したのだが、17インチ化するならばきっとローターとダストカバーが干渉するために曲げるか取り去る必要があったはず。
ダストカバー無しの効果については不明。ただ、石の噛み込み等の不具合は全く発生してないので、悪い方に入ってないと思う。

次に、フロントブレーキへの冷却ダクト取り付け。
私のFD3Sは5型のリップスポイラーを取り付けているため、4型以前のリップスポイラーのブレーキ冷却用開口部後ろにある導風板の位置が合わない。よってアルミ板にて導風板を製作し、導風板の後部からパイプを引いてブレーキローター中心に空気が当たるようにした。
自作アルミ導風板ブレーキ冷却ホース冷却用のホースはステアリングを切ってもタイヤやアームと干渉しない位置に避けた。
これも効果があったかどうかは不明。気分だけN1車両か(^_^;