エンジンマウント



エンジンマウントをマツダスピードのFC3S用の加工品と、アルミ削り出しの部品で固定してしまう自作品の2種類試してみた。


マツダスピード製強化エンジンマウント(FC3S用改)

私のFDは、エンジンの揺れを抑えるためにエンジン振れ止めバーを自作して取り付けている。これはかなり体感できる効果があった。さらにエンジンの揺れを抑えた効果を引き出したいためエンジンマウントの交換を考えたのだが、マツダスピード製のFD用強化エンジンマウントは、1台分で68000円と高価なため手が出せないままでいた。ところが、ある掲示板で4型以降のFD3Sは、FC用のエンジンマウントを加工すれば取り付けできると書いてあった。FC3S用のマツダスピード製強化エンジンマウントは1台分7600円とFDの約1/9のため、どのような加工が要るのか、FD3Sのエンジンマウントはどのように交換するのか、など何も重要なことを確認することなく部品供販に手配を依頼してしまった。

下から除くまずFD3Sのマウントの取り外し方だが、どう見てもフロントメンバーを取り外してからマウントを取り外す構造である。しかし、よく見てみるとアルミのアンダーカバーをはずすと取り付けボルトの取り外しは工具を選べば何とか出来そうな感じである。実際工具を入れてみると、3本のうち1本はオフセットしたメガネレンチは絶対ダメ、ストレートなメガネレンチがあればいいのだが、手持ちになかった。少し角度の付いた片方がメガネ、片方がオープンのスパナで何とかなりそうだった。







ジャッキポイントジャッキアップ 取り付けボルトを少しだけゆるめてジャッキでエンジンを支えておく。最初から支えないのはボルトをゆるめるのに邪魔になるからで、とにかく最初に緩めるだけやっておく。ジャッキは、エンジンとミッションの継ぎ目のミッション側に掛けておく。









取り外したエンジンマウントは、分解可能だった。3型以前が分解できるかは?
FD用マウント マウントの分解


マウントの比較FCとFDのマウントを比較してみると、高さ方向の寸法とボルトのサイズこそ同じだがそれ以外は全く違う。

左・FC3S用
右・FD3S用





加工加工後加工はグラインダを使用して周囲の鉄の部分をカットする。右が加工後。ほとんど別の部品になった・・・・。








歪んだ純正マウント取り外したFD3Sの純正エンジンマウント、手でつかんでみると簡単に捻れる。画像で分かるかな?交換したFC改のマウントは、同じ事をしてもほとんど歪まなかった。







エンジンマウントを交換して最初に感じたのが、「シフトレバーの揺れが少なくなった」です。街乗りしててアクセルのオン−オフで結構シフトレバーが揺れていたのが、ずいぶん少なくなった。体感できる効果は、残念ながらエンジン振れ止めバーを付けたときほどはなかった。(エンジン振れ止めバーについてはこちら・・・)気持ちアクセルに対するピックアップが良くなったかな・・・。ただ今まではエンジン振れ止めバーだけでエンジンを押さえつけていたのが、マウントでも押さえることになり、振れ止めバーのボディ側取り付け部に対する負担が減ったのではと言い聞かせている。
強化エンジンマウントとエンジン振れ止めバー、どちらか片方でいいのかもしれない。


アルミリジッドマウント(自作)
競技車両などでは、エンジンマウントを硬度を上げたゴム製の強化品にするのではなく、金属(アルミなど)の削り出しで製作しているものもみられる。ボディに対するダメージとか振動による快適性の悪化とか、いろいろ悪い点も考えられるが、エンジン振れ止めバーでも効果が感じられたエンジンの揺れ止めはやはり走るための性能としては効果がありそうである。
前出の強化エンジンマウント取り付けのために取り外した純正のエンジンマウントを眺めていたところ、寸法取りをすればアルミの削り出し部品+ボルトで製作ができそうな気になってきた。そう思ったらすぐ、いつものように図面にして知り合いの業者に製作を依頼してしまった。
比較左が純正、右が自作のアルミ製である。
ボルトは高張力のものを使用した。ボルトが壊れたらすべて終わりだから・・・。








アルミリジッドマウント取り付け後取り付けは前回と同じであるが、準備を含めて1時間ほどで完了。
運転席に座ってエンジンをかけてびっくり。エンジンのかかるときのボディに伝わってくる感じが全く違う。揺れてないというか、ほんとにエンジンとシャシが直接つながっている感じ。振動も思ったほど伝わってこない。これは回転運動を直接ミッションに取り出しているロータリーエンジンだからかも?走り出してどうなるか期待してしまう。
町乗りで走ってみると、今までと全く違う感じ。アクセルのオン−オフ、加速時にシフトアップしてクラッチを繋いだときの車の動きが手に取るようにわかる。走るための性能で考えると、サーキットのタイムがあがるかどうかわからないが、絶対に○である。車を感じ取れる・・・ビシビシと・・。
運転しているときの振動は、回転を上げると車体に(もちろん乗っている人の身体にも)容赦なく伝わってくるが、気になるほどではない(私にとっては)。
気づいたのは、今までの強化エンジンマウント(または純正)+エンジン振れ止めバーでは、エンジンの回転数が800〜900RPMあたり、特にエアコンをつけたときのアイドリング時にボディが共振して音と振動がすごかったが、リジッドマウント+エンジン振れ止めバーではこの共振がなくなった。これで快適にエアコンが使用できる(^^ゞ

車が壊れる・・・などの意見があるのも確かだが、こまめにチェックしながら色々走ってみるつもり。

取り付け後約2週間でのインプレッション。
とにかくシフト操作が気持ちいい。シフトの入りがすごく軽くてかっちりしてる。
さらにクラッチを繋いだときの車の動きが、今までよりも早い。というか、今まではクラッチを繋ぐとワンテンポ遅れて車が動き出していた感じ。とにかく車のダイレクト感が増した。
反面、2000rpm以下で走ると微振動が車全体に伝わってくる。(アイドリングなどの無負荷ではたいして気にならない・・・私は)時々内装よりビビリ音が・・・。特に窓を閉めていると振動とともに音も進入してくる。
このあたりを割り切って、車にダイレクト感を求める人にはおすすめ。けどもしこのページを見てリジッドマウントにして車が壊れても責任持てませんが。