ラジエータ交換


追加メーターを取り付けて走っていると、水温・油温の上昇に敏感になってしまう。これは町乗りでもサーキット走行でも同じことで、最初にFD3Sを買ってフルノーマルで8月の阿讃サーキットを走ったとき、たったの5周で水温・油温とも120℃になってしまった。町乗りでは、渋滞を走っているとすぐに100℃を超えてしまう。町乗りでの100℃というのは、車が壊れるかと言えばそんなこともないとは思うのだが、理由もなくもう少し下げたいと思ってしまった。
そこでまず初めに行ったのが、電動ファンの強制運転ラジエーターの前面にあるエアコンコンデンサーを傾けて走行風を少しでもラジエーターに直接当てること、それと純正のフォグランプ取り外しである。これらについての効果は別のページで説明するが、確実に効果があった。
だが、真夏での冷却水の温度をさらに下げるためにラジエーター交換を行うことにした。
交換に当たって、どういうラジエーターにするかが問題となるが、確かに理想は3層のアルミラジエーターである。しかし、コストパフォーマンスと、ラジエーター以外でも冷却対策をすることを考えて、JAM RACING製のノーマル加工真鍮製2層式ラジエーターとした。

パイプ取り外し実際の作業としては、最初にアンダーカバー、エアクリーナー、インタークーラー、サクションパイプ(インタークーラー前後のみでなく、タービン集合部のすぐ後のパイプも)をまず取り外す。
汚れたクーラント次にラジエーター下部のドレンキャップを取り外し、クーラントを抜き取る。抜き取った車を買って3年半一度も交換したことのないクーラントを見てみると、真っ黒・・・・(T^T)
エアコンタンクICダクト取り外し次に電動ファンを取り外すのだが、バンパー開口部からインタークーラーに向かうプラスチックのダクトが邪魔なのではずす必要がある。だが、このダクトにはエアコンのタンクが刺さっているため、このタンクを取り外さなければ行けないのだが、このタンクはどう見てもエアコンのパイプ類を取り外さなければダクトから抜けないように見える。ただ、パイプをはずすと、エアコンガスを再充填する必要が出てくるため、無駄な出費になってしまう。色々考えた結果、タンクに繋がるステー類をすべてゆるめて、パイプを曲げてタンクを上方向にずらした。真似をする方、くれぐれもエアコンのパイプ類を折り曲げてしまわないように・・・・高くつきますよ。
電動ファン空っぽこの後、ラジエーターのアッパーホース、電動ファンのカプラー、各取り付けボルトを取り外すと、ファンは簡単に抜き取りできる。さらにラジエータのロアホース他、接続されているホースを取り外し、取り付けボルトをゆるめるとラジエーターは上方に抜き取ることができる。

実はこの方法は整備書とは違っており、整備書ではエアコンコンデンサーなどをずらせて下から抜き取るようになっている。

今回、ラジエーターの交換に合わせて、アッパー・ロアの両ホースと、サーモスタットを純正の新品に交換した。
サーモスタットの交換には、サーモスタットカバーの取り外しが必要で、このためには、エアポンプに掛かっているベルトを取り外さなければカバー取り連れボルトの一部が緩められないと整備書に書かれている。しかし、ベルトの取り外し・張り具合の調整も面倒だと考えたので、手持ちの工具を使ってみると、ベルトをはずすことなくサーモスタットカバー取り付けボルトを緩めることができた。取り外したカバーを見ていると、今まで後付の水温センサを取り付けていたノーマルでキャップのしてある部分は、エアセパレートタンクへの通り道としてかなり閉鎖された部分であるためラジエーターへの冷却水の通り道からは離れており、水温の正確さとレスポンスが落ちるかもしれないと思い、新たにサーモスタットカバーにタップをたててセンサー取り付け用のネジ穴を加工した。この位置ならばアッパーホースへの入り口なので、エンジンを出てすぐの冷却水温度が計れるはずである。
サーモスタット取り外し水温センサ移動内側より見る水温センサ



取り外したノーマルとJAMを比べてみた。
ラジエータの比較

コア厚さ チューブ本数 重さ チューブ材質
ノーマル 25mm 56本 3.5kg アルミ
JAM 28mm 66本 5.0kg 真鍮

こんな感じである。フィンのピッチとか数までは数える気力がなかった。

取り付けに当たっては基本的に取り付けと逆だが、ラジエータの側面に付いているスポンジは両面テープで移植した。
導風板左導風板右これは、開口部より入った空気がラジエーター以外の部分に逃げないためであるが、同様の目的のために開口部左右にもアルミ板を使った導風板を取り付けた。これで開口部より入ってきた空気はどこにも逃げることなくラジエーターに達するだろう。

今回、ラジエータの交換とともに、クーラントを水温降下能力の高い「SQクール」とし、エアコンコンデンサを今まではノーマルよりは少し傾けていたのを、水平に取り付けてバンパー開口部からの空気はすべてラジエーターに当たるようにした。さらに、電動ファンの強制運転を今までは3段階のうち低回転としてたが、スイッチを追加して高回転でも運転できるようにした。
これらの総合での結果だが、確実に水温は低くなった。取り付け後2週間、町乗りオンリーでのデータだが、今までは夏の時期の町乗り、渋滞を走っていると水温は初めは85℃あたりだがそのうち必ず90℃を超えて92〜3℃になっていた(ファン低回転時)。これが、現在の仕様では83〜88℃。今の仕様で感じるのは、気温にかなり影響されると言うこと。日によっては83℃近辺でずっと安定してたり、86℃くらいで安定してたり・・・。あと、アクセルを踏み込んでいて88℃くらいまで上がっても、定常運転で風が当たり始めるとすぐ2〜3℃下がる。予想した以上の効果があった。ラジエータ以外にも色々小細工したものの総合的な効果だと思うが。
これらがサーキットでも通用するのか、早く試してみたい。