ダンパー+スプリング



私がこれまでに使ってきた足回りが数種類あるので紹介します。


タイプRB用ノーマルダンパー+ローダウンスプリング

この組み合わせは、通常使用している車高調ダンパーをOHする際に取り付ける足である。本来ならノーマルダンパー+ノーマルバネでもいいのだが、やっぱり車は車高短!!という決まり事?があるためたとえどんなときでも車高を落としたくて個人売買でローダウンスプリングを手に入れて組み替えてみた。
ノーマルバネ取り外し中交換風景はこんな感じ。
車高調と違って、バネをスプリングコンプレッサーで縮めなければいけないのはかなり面倒くさい。
特に純正のバネは自由長がかなり長くて圧縮された状態で組み込まれているため、スプリングコンプレッサーでもかなり縮めなければならない。
ちなみにこのスプリングコンプレッサーは、10年以上前AE86に乗っていた頃に通販で購入した安物。長持ちしてるな・・・。
フロントバネ比較リヤバネ比較フロントバネはKGM製スーパースポーツ、リヤバネはアベックス製タイプ1。前後でメーカーが違うのは深い意味はなく、たまたま個人売買で別々に手に入ったから。
カタログ値では、フロントはバネレート7.6kg/mm(純正比約60%アップ)・35mmダウン、リヤはバネレート4.7kg/mm(純正比約30%アップ)・30mmダウンとなっていて、バネレートはともかく、見た目はそれなりに前後バランスのとれたものとなっている。
組み込みは、左の画像のように純正バネに比較してかなり短いため、楽。ほとんどバネを縮めなくてもよかったと記憶している。もちろん組み込むと遊ぶこともないので車検も楽々OK。
乗ってみた感じは、それなりにゴツゴツ感があるが十分許容できる乗り心地で、町乗りレベルにおけるコーナーでのロールも押さえられているし、ステアリングもシャープ。というか町乗りでしか使ってないのでこのくらいしかわからない(^。^;)乗った感じも、ノーマルからの比較でなく、後から出てくるクァンタムダンパーとの比較なので、参考程度かな。
バネだけローダウンスプリングに交換するのは、見た目重視でそこそこスポーティにって言う向きにはお金もかからないしお勧めだと思う。
ちなみにクァンタムのセットからこのセットに組み替えると車高が上がってしまって自分的には不満だった・・・・(^。^;)


QUANTUM RACINGダンパー
FD3Sを購入すると決まったときからそれなりに高価で性能の高い車高調を取り付けようと決めていた。’96年当時、まだ車高調が今ほど一般的でない時期で、選択肢はかなり狭かった。
予算は30万円、候補としては、オーリンズだったが、車高調はショップオリジナルか、特注以外なく、知り合いのショップもなかったためどうしようか迷っていたところ、レースをやっている知り合いからクァンタムダンパーを紹介され、さらに20%オフで購入できるようにするとの話が来た。当時クァンタムダンパーは日本市場に入ってきたばかりで、雑誌などで取り上げられており、F1と同じパーツを使用している高性能ダンパーと持ち上げられていたため、あっさり購入を決意。今思えば思い切ったことをするものだと変に感心するが・・・・(^◇^;)
箱届いたダンパーは、アルミ製で軽量、バネもベステックスのID65φ前後10kg/mmが付属していた。当時、クァンタムを取り扱っているのは東はジーベック、西はトライアルの2社しかなく、私は知り合いの関係でジーベックからの購入だった。
で、組み付けようと思ったのだが・・・アッパーマウントをどうするか・・・が問題だった。現在は知らないが、当時FD3S用のクァンタム直巻きキットにはアッパーマウントの設定が無く、ノーマルアッパーマウントに合う直巻き用アッパーシートを作るか、市販されているピロアッパーマウントを使用するように取り説に書いてあった。ID65φ直巻きバネ用のピロアッパーマウントで安価な物はなかなか無く、結局クスコの60φ用ピロアッパーマウントを購入。ということで、FD3Sの走行距離2150kmにて早くもクァンタムの車高調を組んでしまった(^。^;)
クァンタム+ベステックス10k フロント車高調を組むと言うことで、当然車高ダウンを期待した。が、組む前にダンパーの寸法を当たってみると、ダンパーのケース長でフロントが約20mm、リヤが約10mm短くなっているのみで、ロッド自体はノーマルと同じ長さ。組む前から車高ダウン時のバンプ側ストロークとバネの遊びが気になっていた。で、組んでみると予感的中(T^T) フロントは車高30mmダウンにてバネは何とか遊ばず、リヤはノーマル車高でも約5mmバネの遊びがある(クァンタム指定の組み方とは違い、バネの遊びを少なくするような部品の組み方をしたのだが)。リヤをフロントと同じ車高30mmダウンに設定して走ってみると、明らかにバンプラバーに接触している。デスバンプをフロント2枚、リヤ1枚と初期設定よりそれぞれ1枚減らしているにもかかわらず。(クァンタムダンパーのバンプラバーは、デスバンプといって硬度の異なる複数のドーナッツ状のバンプラバーを組み合わせて使う)
バネの遊びは、ヘルパースプリングでも取り付ければ改善できるが、リヤのバンプストロークの少なさは性能を考えると深刻な問題である。ダンパーとピロアッパーを見ながら悩んだ結果、リヤのピロアッパーマウントを自作することに決定!!(詳しくはこちら
この結果リヤのバンプストローク不足も解消されガンガン走れる足になった。
クァンタムダンパーの第一印象は、減衰力変更での体感が確実にできること、10kg/mmの直巻きバネでも乗り心地がよく、それでいてロールも押さえられていること。純正で付いていたタイヤ(アドバンHFタイプG)で阿讃サーキットを走ったが、タイヤのグリップに対して足が勝っていたため、記憶に残るようなタイムは出せていない。とにかくすぐ車が流れていた記憶がある。

満足していたのもつかの間、フロントからストロークするときに「キーキー」という金属音がするようになり、足回りを見たところ・・・・なんと、フロントダンパー下部のブッシュが変形しているでは(T^T)ダンパーを取り外してみてみると、画像のようにゴムブッシュがよれて切れていて、切れた部分で金属のカラーとダンパー本体が接触してダンパーが少し削れている。
ロアブッシュ破損1ロアブッシュ破損2すぐ、購入もとのジーベックに直接相談したところ、他の車種でもバネのレートによっては同じようなロアブッシュの破損が見られ、クァンタム社(現在のクァンタムジャパン)に対策品を要求するとのこと。ところが、しばらく時間がたってジーベックの担当者と電話で話したところ、クァンタム社での対応が遅れていてとりあえず切れた物と同じロアブッシュを無料で送付してくれることになった。しかし、このブッシュも2ヶ月ほどで同じ状態になりジーベックと連絡を取り合っていたが、結局クァンタム社より対策品は出てこなく、そうこうするうちにジーベックはクァンタムの代理店を降りるとの連絡が・・・・・(`´)怒怒怒 メーカーと代理店の間でいろいろ事情があったようだが、以後の対応はクァンタムジャパンで行うとのことだった。よってクァンタムジャパンに直接電話やFAXで相談したのだが・・・結局担当者は「あと○○日でできる」といいつつその時期になっても音沙汰無い・・・が続いたためこっちもメーカーに頼るのはやめた!!
がれーじSakaiオリジナルロアブッシュロアブッシュと内側のカラーを自作することにした。ブッシュの材質はゴムでなくジュラコンの削りだしとし、カラーもクァンタムの構造のままでは荷重がかかるとブッシュに曲げ方向の力が掛かるため構造を変えカラー全体で加重を受ける構造にした。(詳しい構造は公開しませんが・・・・(^。^;))
左の画像の白い部分がジュラコン製のロアブッシュ。
この自作ロアブッシュで、町乗りからサーキットまで約45000km走ったが、ブッシュやカラーの摩耗や破損は全くなく、がれーじSakaiの自信作となった。(今となっては遺品だが・・・)
現在のクァンタムダンパーはどんな材質・構造のロアブッシュになっているのか知らないが、少なくとも私と同時期にクァンタムダンパーを購入した人は気づかずに乗ってる場合も多いと思う。
この後、前後のバネをHKS製の直巻き12kg/mmに交換→取り付けして約28000キロ走行後にアイフィーリンにてダンパーOH&仕様変更→フロントのみベステックス製16kg/mmバネに交換→リヤをアベックス製14kg/mmのバネに交換という具合に足回りの仕様変更が進み、タイヤやパワーアップ等の変更もあって阿讃サーキットのラップタイムは走るたびに自己ベストを更新し、最終的には1999年9月18日現在45秒190というなかなかの結果となっている。タイヤはヨコハマ032Rハード、車高は前後とも純正時より約50mmのダウン、アライメントはこんな感じ
私の車の仕様で阿讃サーキットを走るときは、減衰力設定はほとんど締め込んだ状態、戻して1回転以内の設定がもっともタイムが出た。リヤのバンプストロークは車高を落としすぎているのかコーナーによってはバンプタッチしてコーナー出口でぐにゃっとした感じを受けることもあったが・・・。それでも阿讃サーキット最終コーナーでのトラクションのかかりは抜群だった・・・・と思う。

OH&仕様変更を重ねてずっと使っていこうと思っていたたクァンタムダンパーも、ケースの破損によって元に戻すには新品を購入するほどの金額がかかる結果となった。破損の原因の大元ははっきりしないが、アームロックによるダンパーケースへの異常な力の入力によるものと思われる。アームロックとは、サスペンションのアームがストロークする途中で何かに接触してそれ以上ストロークできなくなること。
リアアームロック痕フロントアームロック痕画像のようにフロントはスプリングロアシートに、リヤはダンパー本体下部ブラケットに、それぞれサスペンションのアッパーアームと接触した痕があった。
このアームロックについては、どのダンパーでも車高とストロークによっては起こる可能性があるので注意が必要だと思う。現在はAFFECTダンパーの項に書いた対策を行っている。
このアームロックによって、前後4本のクァンタムダンパーのうち3本にダンパーケースの歪みが発生し、使用不可能になった。
現在は、部屋の飾りとしている・・・・・(T^T)
クァンタムダンパーは、阿讃サーキットのタイムアップを見てもわかるように私と車にとってこのダンパー無くてはタイムアップもなかったといってもいいものとなった。衝動で買った高価なダンパーだったが、金額なりの価値は十分にあったと思っている。この経験から、私自身の足回りに対する考えは、いい物を買ってそれに合わせて自分自身をステップアップさせ、また足回りの仕様変更によって高いレベルに行くのがいいと思っている。足を取り替えながらのステップアップは、お金のある人がやることじゃないのかな。

ただ、クァンタム自体のアフターサービスは私にとっては間違いなくハズレ。もっと一般ユーザーを大事にして欲しい。


AFFECT RACINGダンパー
AFFECT レーシングダンパーAFFECTとQUANTUMの比較上記クァンタムダンパーの頃からおつき合いさせてもらっているアイフィーリンのオリジナルダンパー。
購入時に、走っている場所や自分の希望を伝えて、減衰力をオーダーで作った。内容としては、ミニサーキットから筑波サーキットあたりのスピードレンジに合わせた減衰力設定として、パンプ・リバンプともスタンダードのAFFECTダンパーより強くなっているとのこと。バネレートは前後同レートを想定しているらしいが、まずはクァンタムの時と同じフロント16k・リヤ14kで走ってみる。(筑波サーキットを走る機会は四国に住んでいる以上今のところ無いが、そのうち転勤でもしたら・・・(^。^;))
ダンパー自体をクァンタムの時のようにチェックしてみると、リヤダンパーはクァンタムよりも短く設定してある。これでリヤのバンプストロークは十分にあると考えられる。ロッド長自体は短くされてなく、リバンプ側のストロークを多く取っているようだ。
ピロアッパー、バネなどはクァンタムの時の物をそのまま引き継いだ。また、車高やアライメントセッティングも基本的には引き継いだ。また、スプリングのロアシートはID65と60φ用の両方を付けてもらった。これは現在私が持っている直巻きバネの内径が2種類あることを考慮してもらったからであるm(__)mヘ゜コ
リヤアームロック部AFFECTダンパーにおいても、リヤはアームロックが発生する場合があるようで、画像のようにリヤアッパーアームの突起とダンパーブラケット部の接触が見られた。これはサーキット走行後のもので、町乗りや車高によっては必ずしも起こる物ではないと思う。
対策としては、リヤアッパーアームの突起部分を削り取った。この突起は、アームを製造する過程で必要なだけで、車両にアームを取り付けてしまうと邪魔になるため、削り取っても何の不具合もない。
十分な慣らしを行った後、かなりの期待とともに1999年の12月に阿讃サーキットで走ってみたのだが・・・・、結果としては夏にマークした自己ベスト45秒190を更新することができなかった。コンスタントに45秒台は出るのだけれど・・・・とにかく曲げることができなかった・・・。減衰力などいろいろ試してもダメだったので、スリップサインのでかかったSタイヤとのマッチングが原因だと思っている。AFFECTダンパーの評価は今後ニュータイヤを履いてからにしようと思っている。また、リヤのバネをフロントと同じ16kでも試してみたい。とにかくクァンタムには負けるわけにはいかないのである・・・・。今後、HPの更新で報告していく予定。